「んじゃぁ早速だが、今夜から妖退治に出かける」

「ほんとに!やった!」

太陰は、そう言うと元の符に戻った。

「あいつを守れるなら、なんだってする」

太陰の符を拾い上げ、他の符が入ったケースへとしまう。

「二度と泣かせない」

俺の脳裏に、凛の泣く姿が横切る。

「だから、俺に頼れよ凛……」

俺だって安倍家の後を継ぐ陰陽師だ。

お前の力にだってなれる。

(なぁ、お前は覚えているか?)

お前から言った、あの時の約束を──