輪廻転生 絆が繋ぐ運命の転生 上

【凛音】

空の名前なんて呟いても何にもならない。

しっかりしろ私!

空は、ここには居ないんだから。

「別に、一人で抱え込まなくてもいいだろ」

「えっ?!」

私は、振り返り目の前にいる人物を見て目を見開く。

目の前にいたのは、布さん?ではなく。

「空?」

空だった。

何で空がここに居るの?

だって、空は私に会えないはずなのに、何でこんなところに。

「さっきはごめん。言い過ぎた」

「え……?」

「お前の左目のこと。そのことは、お前が一番よく知っているのに」

「……本当に空?」

「そうだよ!」

「布さんじゃなくて?」

「だから、俺は空だ!」

空が目の前に居るは、本当のこと。

布さんじゃなくて、本物の空。

「で、でも空は、私に会えないんじゃ!」

「仕方ないだろ、お前がここに居るなんて思わなかったんだからさ」

あ、だからさっき……。

「まだ、俺が空だと信じないんなら」

「んっ!」

私は、空に腕を捕まれ引っ張られると、空は私の唇を奪った。