輪廻転生 絆が繋ぐ運命の転生 上

凛音は、俺の名前を呼んだ。

「り……」

凛音の名前を呼びそうになり、俺は口を抑える。

(今俺が凛音の名前を呼んでどうする?どうするつもりだ?!)

凛音の傍にいけないのが、こんなにも悔しいことにるなんて、思っても見なかった。

凛音の傍から離れれば、凛音は強くなれると思ったつもりだった。

だけど、あいつを守れる奴はまだいない。

『 これ以上、凛音様に近付くなとのことです』

前に勾陳に言われたじい様の命令。

そんなもの、今ここで破ってやる。

俺は、口元を覆っていた布を取り、凛音の背中を見つめる。

(俺がいても、また傷つけるだけになるかもしれない、だけど──)

だけど、俺は凛音の傍に居たい。