でも、これでも私は蘆屋家の当主だ。
周りになんと言われようが、堂々としていないといけない。
弱さなんて見せてはいけない。
「お前と一緒にするな、何も知らないくせに」
つい布さんに八つ当たりをしてしまった。
初対面の人に八つ当たりなんて恥ずかしい。
「な、何でもない。今のは、忘れて」
私は、布さんに背を向けて書物を棚に戻し始める。
布さんは、それ以上何も聞いてこなかった。
ただ時間だけが過ぎていく。
(私は、強くなれたのかな……)
私の中で空の笑顔が浮かんだ。
会いたい気持ちを抑えても、やっぱり気持ちは溢れる。
辛い時にこそ会いたい愛しい人──空。
(会いたいよ、空……)
友江の前であんなことを言ったけど、時々空はまだ私のことを好きなのか不安になることがある。
式文でお互いの現状を報告しあっているだけで、空は私のこと好きなのか分からない。
空が言ってくれたあの言葉。
『必ず迎えに行く』
その言葉は、本当に信じてもいいのか?
嘘ではないのか?
今すぐ空に会って確かめたい。
「空……」
私は、小さな声で空の名前を呟いた。
周りになんと言われようが、堂々としていないといけない。
弱さなんて見せてはいけない。
「お前と一緒にするな、何も知らないくせに」
つい布さんに八つ当たりをしてしまった。
初対面の人に八つ当たりなんて恥ずかしい。
「な、何でもない。今のは、忘れて」
私は、布さんに背を向けて書物を棚に戻し始める。
布さんは、それ以上何も聞いてこなかった。
ただ時間だけが過ぎていく。
(私は、強くなれたのかな……)
私の中で空の笑顔が浮かんだ。
会いたい気持ちを抑えても、やっぱり気持ちは溢れる。
辛い時にこそ会いたい愛しい人──空。
(会いたいよ、空……)
友江の前であんなことを言ったけど、時々空はまだ私のことを好きなのか不安になることがある。
式文でお互いの現状を報告しあっているだけで、空は私のこと好きなのか分からない。
空が言ってくれたあの言葉。
『必ず迎えに行く』
その言葉は、本当に信じてもいいのか?
嘘ではないのか?
今すぐ空に会って確かめたい。
「空……」
私は、小さな声で空の名前を呟いた。



