輪廻転生 絆が繋ぐ運命の転生 上

(そんなに怖がらなくても)

いや、怖がっているというよりか何かにビビってる?

「貴方の名前教えてください」

「お、俺の名前?!」

「はい、何て呼べば良いのか分からないので」

「な、名前って言われても」

男の人は、何故か深く考え始めた。

(深く考えるものなのか?)

ただ名前を言うだけなのに、おかしな人だ。

「べ、別に言ってもいいんだけど、この先俺と君が会う機会ないかもしれないし」

「じゃぁ、布さんでいいです」

「ぬ、布さん?!」

なんか、聞くのもめんどくさくなった。

「な、何で布さんなんだよ!」

「だって、布巻いてるし」

「お前も同じようなものだろ!!」

その時私の胸が痛んだ。

やっぱり、この人も気になっていたんだ。

私の左目のこと。

この左目は、自分のせいでこうなった。

空のせいじゃない。

だけど、陰陽師にとって見鬼の才は自分の誇りでもある。

それを私は半分失った。

周りの人たちが、私は蘆屋家での恥だと言う者は多い。

姉様には気にするなと言われているが、言われ続けられると流石に傷つく。