輪廻転生 絆が繋ぐ運命の転生 上

【凛音】

「はぁ……。疲れた」

書物を持って運んで行ったり来たり、いつまでかかるのだろうか。

「やっぱり、秦にも手伝ってもらうべきだったかな?」

私は山積みになっている書物を見上げる。

今日一日でこの量の全てを片付けるのは、流石に無理がある。

この書物の中には、私が使ったものもあるが、他の者が使ったものもある。

まさか、片付けない奴らが居たとは思わなかったからな。

「何で引き受けてしまったんだろう」

私は、立ち上がり書物を持って棚に戻す。

高いところにある書物は、私の身長では届かないから、椅子に乗って戻す。

だけど、この椅子少し危ないんだよね。

ぐらぐら揺れるし。

「先に高いところからやっていくか」

再び書物を持って、椅子に乗ったその時。

「きゃっ!」

突然椅子の足が外れてしまった。

大勢を崩した私は、そのまま後ろに倒れる。

(落ちる!)

そう思った時、私は誰かに抱き上げられた。

「えっ?」

「たく、危ないなぁ」

聞き覚えのある声に私はドキッとした。

(まさかっ!)

まさかと思い顔を上げた時、私は目を細めた。

口元は布で覆っていて、前髪が邪魔ではっきりと顔が見えない。