輪廻転生 絆が繋ぐ運命の転生 上

「本当に、何を考えているか分かんねぇよ」

「空様、布をお持ち致しました」

「ありがとう嶺」

俺は、口元を布で覆った。

(これなら、気づかないだろう。多分……)

「では、参りましょうか」

「あ、あぁ……」

俺は、嶺の後ろを着いて歩く。

この時、俺の胸はドキドキしていた。

凛音に正体がバレるという緊張感のドキドキと、凛音に会えるというドキドキだ。

だけど、凛音に会えるというドキドキの方が上だった。

(はぁ……。約束破っちまうなぁ……)

でも、今回は仕方がない。

これは、じい様に頼まれたことで、俺だって凛音が居ることは知らなかった。

断ればいい話だが、断ったら断ったでじい様に何か言われる。

もしこの事がじい様にバレても、俺は反論できる。

今日半日が無事に過ぎることを願うよ。