輪廻転生 絆が繋ぐ運命の転生 上

「寝ていなくていいのか?」

「はい、今日は調子がとてもいいのです」

「そうか」

菊夜とは、二年前に祝言をあげて、子が腹の中に居るのを知ったのは最近のことだ。

もちろん、菊夜は凛音のことを知らない。

話したら何を言われるか分からないからな。

「では兄様、私はこれで失礼します」

「あぁ」

友江は、俺の部屋に菊夜が来ると、直ぐに部屋から出ていく。

友江は、菊夜を好きではないみたいなんだ。

「もう、秋になりましたね」

「そうだな」

外の庭には、落ち葉が落ちている。

(この季節が過ぎれば、四年が経つのか)

「空様?」

「いや、何でもない。ちょっと出かけてくる」

「どちらへですか?」

「陰陽寮だ。ちょっと片付けをじい様に頼まれてな」

「そうですか、お体の方は大丈夫なのですか?」

菊夜は、俺の体の状態を知っている。

俺がいつも出かけるとなると、こうして心配して聞いてくる。

「大丈夫だよ。符さえ使わなければな」

俺は、そう言い部屋を出た。

「いつまで、お傍に居ることができるのでしょうか」

菊夜は、悲しい表情で青空を見上げた。