「おっ!来たな凛音、俺と勝負しろ!」

「はいはい。また今度」

「な、何でだよ!」

私は、秦を無視して通り過ぎる。

秦は、そんな私を追いかけてくる。

「あのねぇ、私は今忙しいの!秦に構っている暇はないの!」

「少しくらい良いだろ!」

秦は、蘆屋家の血を引いてはいない。

だけど、妖が見えるってことで養子として蘆屋家に迎えられた。

歳は、私と同じだ。

「これから何処に行くんだ?」

「陰陽寮、ちょっと片付けがあるから」

「なら、俺が手伝ってやる」

「いらない」

「はっきり言わなくていいだろ」

秦は、何故ここまで私に付いて着たがるのだろうか?

初めて会ったときだって、勝負を挑んてきたし。

「ねぇ、秦は何で私なんかに構うの?」

「え?」

「私なんかに構っている暇があるなら、修行すればいいのに」

こんなこと、私が言えるわけではないけど。

「俺は、お前の隣に居たいんだよ」

「え?」

私は、足を止め秦を見る。