特に伸ばす理由はない。
と断言はできないが、私はあいつが迎えに来てくれるまで伸ばすつもりだ。
空は、二年前祝言をあげた。
そして、奥方のお腹の中には、空の子供がいることも聞いた。
私と空はこの三年一度も会っていない。
すれ違うことすらない。
でも、空はたまに私に式文を飛ばしてくる。
会わない代わりに、式文を飛ばし合って現状報告をしている。
私は、空から来る式文をいつも楽しみに待っている。
会わなくても私たちは繋がっている。
だから寂しくはない。
「凛音、陰陽寮の方はどうですか?」
「特に変わったことはありませんが、陰陽寮で学ぶものは、私の知らないことが多くて、もっといろんな事を知りたいと思っています」
私は、蘆屋の当主になって直ぐに陰陽寮に入った。
最初は、行く気なんてなかった陰陽寮だけど、行ってよかったと今は思っている。
「ところで秦(しん)様とは、上手く行っていますか?」
「いいえ、あんな奴知りません!」
秦とは蘆屋の陰陽師の一人だ。
と言っても、蘆屋の人ってわけではない。
「あいつ、いつも私に勝負を挑んできていい加減うざいです」
その言葉に、姉様は何故か笑った。
「何で笑うんですか?」
「だって、凛音も昔はそうだったでしょ?いつも空様に勝負を挑んでは負けて」
「確かにそうでしたけど……」
確かに、姉様の言うとおりだけど、秦を見ていると自分は空にとってうざい存在だったのではないのかと思ってしまうんだ。
別に秦は、嫌いではないが。
「さぁ、できました」
「ありがとうございます。では、私は陰陽寮に行ってきます」
「気をつけてくださいね」
髪を束ね、符を持って私は部屋から出た。
門近くの庭に出た時、門の辺りをうろうろとしている人が目に入った。
「あいつ……」
もちろん、居るのは秦だ。
「噂するとなんとやらだ」
私は、そのまま門へと向かう。
と断言はできないが、私はあいつが迎えに来てくれるまで伸ばすつもりだ。
空は、二年前祝言をあげた。
そして、奥方のお腹の中には、空の子供がいることも聞いた。
私と空はこの三年一度も会っていない。
すれ違うことすらない。
でも、空はたまに私に式文を飛ばしてくる。
会わない代わりに、式文を飛ばし合って現状報告をしている。
私は、空から来る式文をいつも楽しみに待っている。
会わなくても私たちは繋がっている。
だから寂しくはない。
「凛音、陰陽寮の方はどうですか?」
「特に変わったことはありませんが、陰陽寮で学ぶものは、私の知らないことが多くて、もっといろんな事を知りたいと思っています」
私は、蘆屋の当主になって直ぐに陰陽寮に入った。
最初は、行く気なんてなかった陰陽寮だけど、行ってよかったと今は思っている。
「ところで秦(しん)様とは、上手く行っていますか?」
「いいえ、あんな奴知りません!」
秦とは蘆屋の陰陽師の一人だ。
と言っても、蘆屋の人ってわけではない。
「あいつ、いつも私に勝負を挑んできていい加減うざいです」
その言葉に、姉様は何故か笑った。
「何で笑うんですか?」
「だって、凛音も昔はそうだったでしょ?いつも空様に勝負を挑んでは負けて」
「確かにそうでしたけど……」
確かに、姉様の言うとおりだけど、秦を見ていると自分は空にとってうざい存在だったのではないのかと思ってしまうんだ。
別に秦は、嫌いではないが。
「さぁ、できました」
「ありがとうございます。では、私は陰陽寮に行ってきます」
「気をつけてくださいね」
髪を束ね、符を持って私は部屋から出た。
門近くの庭に出た時、門の辺りをうろうろとしている人が目に入った。
「あいつ……」
もちろん、居るのは秦だ。
「噂するとなんとやらだ」
私は、そのまま門へと向かう。