「おいおい、あんな事言ってるけどいいのか?」

「いいのよ騰蛇、これは二人が望んたことなんだから」

別の空間で、貴人と騰蛇が私たちの様子を見ていた。

「けど、あいつは符を使えば死ぬんだぞ。あいつが死んだら、凛音は悲しむ」

「死なせないでしょ。ねぇ勾陳」

「そのつもりです。空様のことは、私に任せてください」

勾陳は、深々と二人に頭を下げる。

「騰蛇、凛音様のことをお守りしてね。私じゃ凛音様を守れないから」

「守るさ、今度こそ」

騰蛇は、私たちを見て目を細めた。

それから数日後──

私は、正式に蘆屋の当主として迎えられた。

(私は、強くなる)

そう私は、決心した。

もう、誰も死なせない。

そして、私が蘆屋の当主になってから三年の月日が流れた。