私たちの間で、しばらく沈黙が漂ったが、先に言葉を口にしたのは空だった。

「この時間が、一生続けばいいと思っている」

「空?」

空らしくないことを言うから、私は空を見上げる。

空は、私の頬に手を当てると、私の左目に指先をかすめる。

「目、何も見えないんだろ?」

「あぁ……」

「ごめんな、俺のせいで」

空の言葉に私はハッとして言い返す。

「空のせいなんかじゃない!これは、私のせいでこうなったんだ。だから、空のせいじゃない!」

「お前にそう言ってもらえると、少し気持ちが軽くなるよ」

空は、私の頬を両手で包み込むと、優しく唇にくちづけをしてくれた。

「ん……」

空は、何度も角度を変えて接吻をしてきた。

私は、それに応えるのに必死だった。

しばらくして、空は私から離れると、私から少し離れた。

「空?」

「もう、これで最後だ」

「えっ?」

私たちの間に風が通り抜けていく。

「お前にこういうことをするのは、今日で最後だ」

胸がドキッとした。

「それはつまり、私から離れるってこと?」

「そうだ」

先に空に言われてしまった。

先に言おうと思っていたのに、私は空とのこの時間が愛おしくて、言うことから逃げていた。

でも、空に言われて覚悟が出来た。