輪廻転生 絆が繋ぐ運命の転生 上

「分かった。あいつの傍からは離れる。もう近づくことはしない」

「では、直ぐに晴明様に」

「ちょっと待ってくれ」

俺は、立ち上がり勾陳を見下ろす。

まだ毒抜きが終わってあまり時間が経っていないせいで、体はまだふらついた。

「もう少しだけ待ってくれ、凛音と話したい」

「そのお体で外に出るのは危険です」

「それは大丈夫だろ。勾陳が着いてくれば」

俺は、軽く笑って勾陳の返事を待つ。

「……分かりました。ですが、今日で最後としてもらいます」

「あぁ、分かった」

俺は、覚悟を決めた。

あいつが強くなれるなら、あいつが立派な陰陽師になれるなら、俺はこの気持ちを捨てる。

本当は捨てたくないこの気持ちを俺は捨てる。