「そのことを、凛音には言ったのか?」
「いえ、これは空様ご自身が、凛音様に言う必要があります」
「自分で言えってことかよ……、言えるわけないだろ!」
俺の中で、凛音の傷つく顔が浮かぶ。
「ですが、晴明様の命令は絶対です。それに、今の空様では凛音様をお守りすることはできません」
「だから、離れろってことなのかよ!」
勾陳は、俺の痛いところを突いてくる。
そんなこと、俺が一番分かっていることだ。
「そんなこと、俺が一番分かってるさ!」
俺は、勾陳を睨みつける。
「俺が離れたら、誰が凛音を守るんだよ。俺の他にあいつを守れる奴が居るのかよ?!」
俺は勾陳にそう問うが、勾陳は左右に首を振った。
「今のところ、空様以上に凛音様をお守りできる人は、十二天将を除いて他にいません。ですが、凛音様は蘆屋家の時期当主として迎えられることになりました」
「凛音が蘆屋家の時期当主に?!」
でも、それは凛音の兄の册(さく)さんじゃないのか?
「先ほど、册様が何者かによって殺されたと聞きました」
「册さんが死んだ?!」
「册様が亡くなり、蘆屋家を継ぐものは凛音様だけになりました。凛音様は、蘆屋家を守っていかなければなりません」
「凛音が蘆屋を継ぐことと、俺が凛音から離れることとは何も関係ないだろ」
「関係はあります」
勾陳の表情が変わり、俺は目を見開く。
「凛音様は、今まで以上に強くなってもらわなくてはなりません。そこで、空様に守られていては、凛音様は強くなりません。それに、凛音様と居ることで空様は符をお使いになります。晴明様は、空様には生きていてほしいのです」
じゃぁ、俺がいることで凛音は強くなれないってことか……。
「これは、凛音様のためになることです」
「そうか……」
なら俺は、あいつの傍には居られない。
もしここで言い返したとしても、勾陳によって全て言い返される。
「いえ、これは空様ご自身が、凛音様に言う必要があります」
「自分で言えってことかよ……、言えるわけないだろ!」
俺の中で、凛音の傷つく顔が浮かぶ。
「ですが、晴明様の命令は絶対です。それに、今の空様では凛音様をお守りすることはできません」
「だから、離れろってことなのかよ!」
勾陳は、俺の痛いところを突いてくる。
そんなこと、俺が一番分かっていることだ。
「そんなこと、俺が一番分かってるさ!」
俺は、勾陳を睨みつける。
「俺が離れたら、誰が凛音を守るんだよ。俺の他にあいつを守れる奴が居るのかよ?!」
俺は勾陳にそう問うが、勾陳は左右に首を振った。
「今のところ、空様以上に凛音様をお守りできる人は、十二天将を除いて他にいません。ですが、凛音様は蘆屋家の時期当主として迎えられることになりました」
「凛音が蘆屋家の時期当主に?!」
でも、それは凛音の兄の册(さく)さんじゃないのか?
「先ほど、册様が何者かによって殺されたと聞きました」
「册さんが死んだ?!」
「册様が亡くなり、蘆屋家を継ぐものは凛音様だけになりました。凛音様は、蘆屋家を守っていかなければなりません」
「凛音が蘆屋を継ぐことと、俺が凛音から離れることとは何も関係ないだろ」
「関係はあります」
勾陳の表情が変わり、俺は目を見開く。
「凛音様は、今まで以上に強くなってもらわなくてはなりません。そこで、空様に守られていては、凛音様は強くなりません。それに、凛音様と居ることで空様は符をお使いになります。晴明様は、空様には生きていてほしいのです」
じゃぁ、俺がいることで凛音は強くなれないってことか……。
「これは、凛音様のためになることです」
「そうか……」
なら俺は、あいつの傍には居られない。
もしここで言い返したとしても、勾陳によって全て言い返される。



