「そうだ。凛音の様子はどうだ?」
「先ほど知世音様がいらしていましたが、知世音様が帰られる頃には、眠っていました」
「なら、いい」
「ですが、凛音様の左目はもう何も見えません」
「えっ?!」
何も見えないってどういうことだよ。
「凛音は、ぬらりひょんに見鬼の才を奪われただけだろ!」
「凛音様本人は、真っ暗な景色しか見えないと言っていました」
「そんな……」
俺は、自分の手に力を込める。
じゃぁ、ぬらりひょんに見鬼の才を奪われたことによって、凛音の左目は見えなくなったってのか?
ただでさえ、見鬼の才を奪われ、妖の気配を完全に探れないというのに、目が見えなくなるなんて。
(俺のせいだ。俺の……!!)
俺は、自分の力の無さに苛ついた。
俺にもっと力があれば、あいつの傍から離れなければ、こんなことにならなかった。
「空様……。晴明様から言伝を預かっております」
「じい様から?」
じい様から言伝なんて珍しいな。
俺に妖退治の依頼や、話があるときはいつも式文を飛ばしてくるから。
俺は、じい様に言われるがままやってきた。
だから、そのせいもあってじい様とはまともに話したことはない。
「じい様は、何て言っていたんだ?」
勾陳は、まっすぐ俺を見てくると言った。
「これ以上、凛音様に近付くなとのことです」
「はっ?」
俺は、自分の耳を疑った。
「凛音に近づくなってどういうことだよ!」
じい様は、何を言っているんだ!
俺がそんなこと聞くと思っているのか?!
「これは、晴明様の命令です」
「だから何だって言うんだよ!俺はそんなこと…」
俺が凛音から離れることなんて出来ない。
俺が離れたら、誰があいつを守るんだよ。
そこで、俺はフト思ったことを勾陳に聞き返す。
「先ほど知世音様がいらしていましたが、知世音様が帰られる頃には、眠っていました」
「なら、いい」
「ですが、凛音様の左目はもう何も見えません」
「えっ?!」
何も見えないってどういうことだよ。
「凛音は、ぬらりひょんに見鬼の才を奪われただけだろ!」
「凛音様本人は、真っ暗な景色しか見えないと言っていました」
「そんな……」
俺は、自分の手に力を込める。
じゃぁ、ぬらりひょんに見鬼の才を奪われたことによって、凛音の左目は見えなくなったってのか?
ただでさえ、見鬼の才を奪われ、妖の気配を完全に探れないというのに、目が見えなくなるなんて。
(俺のせいだ。俺の……!!)
俺は、自分の力の無さに苛ついた。
俺にもっと力があれば、あいつの傍から離れなければ、こんなことにならなかった。
「空様……。晴明様から言伝を預かっております」
「じい様から?」
じい様から言伝なんて珍しいな。
俺に妖退治の依頼や、話があるときはいつも式文を飛ばしてくるから。
俺は、じい様に言われるがままやってきた。
だから、そのせいもあってじい様とはまともに話したことはない。
「じい様は、何て言っていたんだ?」
勾陳は、まっすぐ俺を見てくると言った。
「これ以上、凛音様に近付くなとのことです」
「はっ?」
俺は、自分の耳を疑った。
「凛音に近づくなってどういうことだよ!」
じい様は、何を言っているんだ!
俺がそんなこと聞くと思っているのか?!
「これは、晴明様の命令です」
「だから何だって言うんだよ!俺はそんなこと…」
俺が凛音から離れることなんて出来ない。
俺が離れたら、誰があいつを守るんだよ。
そこで、俺はフト思ったことを勾陳に聞き返す。



