ぬらりひょんの言う通り、十二天将たちは戦いの道具だ。

それに自由も奪われる。

「お前の言う通り、元妖の俺にとって自由を奪われることは嫌だった。だがな、分かったんだよ」

『なに?』

「他の十二天将たちは、誰もそんなこと思ってねぇんだよ。俺たちは、主を守るために戦う、決して道具なんかじゃねぇ」

騰蛇は、立ち上がると瞳を金色に輝かせる。

「自由を奪われた?それは違う!凛音やあのクソガキは、俺達に居場所をくれた。本当の意味での自由をくれた」

『……。人間に会って変わった妖たちか……』

「そうだ!だから俺は変われた。凛音のおかげでな。この先俺が仕えるのは、俺が主と認めたやつだけだ!」

騰蛇は、最後の一撃をぬらりひょんに放つ。

「お前は、凛音たちの未来の邪魔だ。だから消えろ!」

騰蛇の刀が、ぬらりひょんの体を貫いた。

『ぐはっ……!!』

騰蛇は、刀を抜くとそのまま後ろに倒れ込んだ。

「騰蛇!!」

私は、騰蛇の傍に寄る。

「わりぃな凛音、しばらく休むわ……」

「ありがとう騰蛇、お前の気持ちちゃんと届いたぞ」

騰蛇は、軽く微笑むと目を閉じもとの符へと戻った。

『ぬ、ぬらりひょん様?』

私の目の前に倒れているぬらりひょんは、ぴくりとも動かない。

『お、おのれぇ!』

鬼蜘蛛は、近くにあった刀を取り、私の目の前へと現れる。

「鬼蜘蛛!」

『せめて、お前だけでも!』

「きゃぁ!」

その時、私の目の前に一人の人影が現れ、鬼蜘蛛はその人を斬りつけた。