「凛音ちゃん!」

「凛音様!」

私が後ろを向こうとした時、刀は私に向かって振り下ろされていた。

(駄目だ!避けれない!)

死を覚悟した時、振り下ろされた刀は、私の頭上で止まっていた。

「えっ?!」

「誰が、こいつを殺らせるかよ」

騰蛇の持つ紅蓮の刀が、ぬらりひょんの刀を私の頭上で止めていた。

「騰蛇……」

『凄いなお前、俺の速さに付いて来れるのか?』

騰蛇は、何も言わず刀を跳ね返す。

「大丈夫か凛音?」

「あ、あぁ……、ごめん。ありがとう」

自分の体に触れた時、私の体は震えていた。

あんな死の恐怖を味わったのは初めてだった。

『やはり騰蛇、お前はそうでなくちゃな!』

ぬらりひょんは、騰蛇に向かって行く。

「凛音、お前は離れてろ」

「う、うん」

刀がぶつかり合い、刀の交じり合う音が辺に響く。

(空……)

空……、早く来て!