「どうするつもりだ?まだあんなに鬼蜘蛛たちがいるんだぞ」

「ここであいつらの数を減らしておかないと、後々厄介になりそうだからな」

空は、呪文を唱えると符を鬼蜘蛛たちの巣に向かって放った。

「火爆符!」

空の言葉と共に、蜘蛛の巣に貼り付いた符な爆発を始めた。

『な、なんだこれは!』

空は、蜘蛛の巣に次々と符を放つ。

『これはもしや、陰陽師か!』

鬼蜘蛛の目が赤色に輝くと、燃える木々の火が消えた。

『出てこい陰陽師!』

私たちは、隠れていた木の影から姿を現す。

『お前は、安倍家の者か!』

「よく分かったな、俺が安倍家の者だって」

『知っているさ、安倍家の奴らに俺たちの仲間も殺られたからな』

男は、私へと目を向ける。

『お前は、蘆屋家の者だな』

「そうだけど?」

『お前みたいなやつが、安倍家のやつと一緒にいるなんてな』

鬼蜘蛛は、私を見て鼻で笑った。

(な、何なんだこいつは!)

私が空と一緒に居ちゃ駄目なのか!

「おいお前!」

『なんだ?』

「私を鼻で笑ったこと後悔させてやるから、その場から動くなよ!」

私は符を一枚取り出し、呪文を唱える。

「我と契約せし十二天将よ、我が呼びかけに応えたなら姿を現し、我の助けとなれ騰蛇・六合(りくごう)よ。急急如律令!」

騰蛇と六合は、姿を現し私の前へと降り立つ。