輪廻転生 絆が繋ぐ運命の転生 上

それは、気づかないふりをしていたせいかもしれない。

本当は、とっくに気づいていたはずなのに。

私は、知らぬ間にそれを圧し殺していた。

「私は、空が好き……。私が目標とする存在であって、初恋の人……だと思う」

「それが分かれば、もう何も心配はいりません」

「あるよたくさん、この恋は決して実らない……」

だって、あいつは近々祝言をあげるんだ。

もし空が、祝言はあげないと言っても、安倍家と蘆屋家の恋路は決して許されない。

違う血を継ぐ陰陽師が祝言をあげ子供を授かったら、新しい陰陽師の一族が生まれる。

これは、小さい頃から兄上に聞かされてい話だ。

決して安倍家の者を好きになってはいけないと──

「それは、空様もよくご存知かと思います」

「なんで?」

「それは、本人に聞いてください」

「?でも、空は私のことは何とも思ってない」

私のことを一度も女扱いしてこなかったかあいつが、私を好きなはずがない。

「なら、ここはお色気作戦でいきますか」

「え?」

「私に任せてください」