輪廻転生 絆が繋ぐ運命の転生 上

【凛音】

「んー……」

私は、湯船に浸かりながら考えていた。

「なんで、胸が痛むんだ?」

私は、さっき空に握られていた手を見る。

「まだ、あいつの温もりが残ってる」

手を繋ぐことなんて、小さい頃によくやっていたことなのに。

この胸の痛みはなんだ?

それに、この痛みは前にも感じたことがある。

あいつが、祝言をあげると聞いた時だ。

「はぁ……、いい湯ですねぇ」

「き、貴人!?」

「どうもでーす」

突然私の隣に十二天将の一人である貴人がいた。

「い、いつからいたの?」

「ずっと居ましたよ、凛音様がここに来るまでずっと」

「そ、そうなの?」

全然気づかなかった。

「だって、凛音様何か悩んでいたらしいので、私が話を聞きますよ」

「え、そ、それは……」

「ずばり、それは空様のことですね」

「やっぱり、分かっちゃう……」

貴人は、人の心を読むことが出来る。

でも、人の心をいつでも読めるというわけではない。

綺麗な心を持っている人でないと、心は読めないと言っている。

「空様のことを考えていると、何故か胸が痛むということですね?」

「うん……」

これでも、私の良き相談相手なんだ。