「べ、別に寒くなんかない」
「嘘つくな、早く帰るぞ」
俺は凛音の手を握ったまま、番傘の中に凛音を入れ宿へと戻った。
そして、そのまま風呂場へと直行する。
「風呂に入って温まってこい」
「わ、分かった」
凛音を風呂場へと送り、俺は部屋に戻る。
「たく、あいつは……」
俺手のひらには、凛音の手を握った時の温もりがまだ残ってる。
「あいつは、ほんとに女としての自覚がなさすぎだ」
雨の中へと出ていったら服だって濡れて、体が透けて見えるんだぞ。
「調子狂うぜ、まったく……」
やっぱり、凛音と同じ部屋に泊まるのはまずかったか?
こんなの想定外だしなぁ。
(俺の気持ちが、溢れないように抑えないとな)
俺は、懐からある物を取り出す。
「結局渡せてないよな」
手の中にあるかんざしを見て、凛音の喜ぶ顔を想像する。
あいつが俺のことをなんとも思っていないのは知ってる。
だけど、俺はあいつが……。
好きだ──
「嘘つくな、早く帰るぞ」
俺は凛音の手を握ったまま、番傘の中に凛音を入れ宿へと戻った。
そして、そのまま風呂場へと直行する。
「風呂に入って温まってこい」
「わ、分かった」
凛音を風呂場へと送り、俺は部屋に戻る。
「たく、あいつは……」
俺手のひらには、凛音の手を握った時の温もりがまだ残ってる。
「あいつは、ほんとに女としての自覚がなさすぎだ」
雨の中へと出ていったら服だって濡れて、体が透けて見えるんだぞ。
「調子狂うぜ、まったく……」
やっぱり、凛音と同じ部屋に泊まるのはまずかったか?
こんなの想定外だしなぁ。
(俺の気持ちが、溢れないように抑えないとな)
俺は、懐からある物を取り出す。
「結局渡せてないよな」
手の中にあるかんざしを見て、凛音の喜ぶ顔を想像する。
あいつが俺のことをなんとも思っていないのは知ってる。
だけど、俺はあいつが……。
好きだ──



