輪廻転生 絆が繋ぐ運命の転生 上

「しゃあねぇ、迎えに行ってやるか」

俺は、店の亭主から番傘を借りて、凛音を迎えに外へと出た。

「やっぱ、雨が降ってると人も少ないか……」

この中を探すとなると、時間かかるよなぁ。

「凛音!どこだ凛音!」

着物を買いに行ったってことは、その近くのところで雨宿りしてそうだな。

「おーい凛音!どこだ?!」

店の角を曲がった時、白い水干を来た人が一人屋根の下でうずくまってるのが見えた。

「あいつ、あんなところに!」

駆け足で凛音のところに近づき、凛音に呼びかける。

「おい凛音、迎えに来たぞ」

「すぅ……」

「こいつ、寝てるのか?」

凛音の肩を揺らすと、凛音の寝顔が見える。

その表情は、とても安心した表情だった。

「こいつ、こんな寝顔すんのかよ」

ちょっと可愛いなと思ってしまった。

だけど、こいつをおぶって宿まで帰るなんてまっぴらごめんだ。

「おい凛音、起きろ!」

何度も凛音の名前を呼ぶが起きる気配はしない。

それどころか、どんどん雨が激しくなってきている。

「ちっ、こうなったら!」

俺は思いっきり息を吸い、凛音の耳元で思いっきり叫んだ。