【空】
「遅い……」
あいつが明るいうちに外に着物を買いに行ってからというもの、もう夜になっている。
それに、外は激しく雨が降っているところだ。
「何処かで雨宿りしているのか?」
だから番傘持ってけって言ったんだ。
あいつは、俺の言葉を一つも聞こうとしない。
昔からそうだ。
あいつに勝手にライバル視されるようになってから、あいつに関わるのはめんどくさいと思っていた。
だが、他の女たちと違ってあいつは面白かった。
いろんな表情を俺に見せてくれるし、俺を変な目で見てこない。
唯一あいつの前では、いつもの自分でいることが出来た。
でも、一つだけまだあいつの表情で見ていないものがある。
それは、あいつが女になった時の顔だ。
好きなやつが居れば、そんな顔するんだとは思うけど、あいつの様子を見ている限りだと好きなやつは居なさそうだ。
あとは、あいつが女らしい姿だ。
水干ばかり来ているせいか、あいつの着物姿を見たことがない。
ちょっと気にはなるが、あいつの姉様が着物を買ってこいって言ったのも、姉様の計らいだろう。
もっと女らしく着物でも着なさいというな。
「遅い……」
あいつが明るいうちに外に着物を買いに行ってからというもの、もう夜になっている。
それに、外は激しく雨が降っているところだ。
「何処かで雨宿りしているのか?」
だから番傘持ってけって言ったんだ。
あいつは、俺の言葉を一つも聞こうとしない。
昔からそうだ。
あいつに勝手にライバル視されるようになってから、あいつに関わるのはめんどくさいと思っていた。
だが、他の女たちと違ってあいつは面白かった。
いろんな表情を俺に見せてくれるし、俺を変な目で見てこない。
唯一あいつの前では、いつもの自分でいることが出来た。
でも、一つだけまだあいつの表情で見ていないものがある。
それは、あいつが女になった時の顔だ。
好きなやつが居れば、そんな顔するんだとは思うけど、あいつの様子を見ている限りだと好きなやつは居なさそうだ。
あとは、あいつが女らしい姿だ。
水干ばかり来ているせいか、あいつの着物姿を見たことがない。
ちょっと気にはなるが、あいつの姉様が着物を買ってこいって言ったのも、姉様の計らいだろう。
もっと女らしく着物でも着なさいというな。



