着物選びをしてから数分後、空の言ったとおり雨の音が響いてきた。

「帰る前に降られたか……」

着物選びを終えた私は、雨宿りをしているところだ。

「何分くらいで止むかな?」

雨の降り方からして数分で止むとは思えない。

「少し、ここで待つことにするか」

季節は冬近くだから、少し肌寒いが大丈夫だろう。

「符は全部あっちに置いてきてるしな」

この町は、晴明様による結界が施されているから、妖がこの町の中に入ってくるということはない。

私は、その場に座り込み着物の入った包に顔を埋めて目を閉じる。

「早く止まないかな……」

睡魔が私を襲ってきて、私はその場で眠りについた。