【凛音?】

懐かしい声が聞こえた。

私の名前を呼ぶ声。

愛しかった人の声が──

目を覚ますと、月の光が部屋の中へと差し込んでいた。

「また、輪廻転生か」

私の額に五芒星の印が浮かび上がる。

「何度繰り返せば、お前のもとに行けるのだ」

私の頬に涙が流れる。

「どんなに輪廻転生を繰り返しても、お前の存在はもうないのに!」

この五芒星の印で、私の力を抑え込んでいるようだが、それは時間の問題だ。

私の魂と、この体の本来の持ち主の魂が完全に一つになるのもな。

「もう、何度殺されればいいのだ」

私は、手のひらで顔を覆う。

「早く助けてくれ空、早くお前に会いたいよ……」

「凛……?」

「!」

隣を見ると、そこには懐かしい姿があった。

「騰蛇……」

「凛……、じゃないな。凛音か?」

「あぁ……」

涙を拭っていると、騰蛇は私の傍に来てその場に座る。

「久しぶりだな、凛音……」

「あぁ、何百年ぶりだ?」

「さぁな……」

騰蛇の雰囲気が、最初にあった頃に比べると落ち着いている。