だから、他の十二天将の人たちが、今どうしているのかは分からない。

だけどいつか、お母様みたいな立派な陰陽師になって、十二天将の人たちを従え、私は必ずあいつを倒すんだ。

お母様を殺した憎き相手、ぬらりひょんを──

「騰蛇は、必ず出てきてくれるのになあ……」

こんな弱気になってちゃ、青龍だって、呆れて出てきてくれないよね?

でも、きっといつか青龍は、私のところにも現れてくれる。

私は、そう信じながら修行に取り組んだ。

「今夜は、強い妖の気配は感じはしないから、これで帰ろうかな」

校舎を出た私は、帰る前に結界が施されている石の置物のところへと向かった。

この結界は、私がこの中学校に入学する前から、何者かによって施されていたものだ。

いや、もしかしたら何百年も前からかもしれない。

それに、この結果は、妖を外には出させないためにあるのだと、最近知ることが出来た。

「この結界は、私が守る義務がある」

家に帰る前必ずここによって、結界が弱くなっていないかを確認する。

「今日も、大丈夫そうだね」

踵を返して、私は自分の家へと向かった。