【凛空】

「ただいま」

「おかえりなさい凛空様、奥様がお待ちです」

「母さんが?」

何のようだ?

俺は、母さんの部屋に向かう。

「失礼します、凛空です」

俺は、部屋の障子を開けて部屋の中へと入る。

「凛ちゃんの様子はどうだった?」

「元気だったよ、怪我もしてなかったみたいだし」

「そう……」

「それで、俺に話しってなに?」

「貴方に話があるのは私じゃないわ」

「えっ?」

母さんは、隣の部屋の方へと視線を移すと、隣の部屋から青龍が姿を現した。

「青龍?!」

「話しがあるのは、青龍のほうよ」

母さんはそれだけ言うと、部屋から出て行った。

「……。俺に話しってなんだ?」

「一つ確認したいことがある」

「確認したいこと?」

「三日前に、凛の封印された力を感じた。一体何があった?」

そうか、青龍も元は十二天将の一人だったから、凛の力を感じることが出来るんだ。

それに、凛は青龍の符を持っているしな。

「三日前に、鬼女とかいう妖が俺たちを襲ってきた」

「鬼女が?あいつは確か、ぬらりひょんの仲間の一人だな」

「あぁ、俺の知り合いの体を奪って、俺を殺そうとした。でも、殺されるように動いたのは俺だ。その時、凛の額に五芒星の印が浮かび上がった」

「五芒星の印は、凛の感情によって浮かび上がるのか?」

「それはまだ分からない。だけど、一時的な物だったから、そんなに力は使っていないと思う」

「そうか……」

でも、一番気になるのは、自分をぬらりひょんの息子と言っていた夜の存在だ。