「お、おいどうした?!」

「いや、何か凛空を見たら安心して」

「おいクソガキ、泣かせんじゃねぇぞ」

「勘違いすんな!」

本当に安心した。

鬼女との戦いで、凛空が死んじゃうかと思ったから。

「んじゃぁ、俺は戻るな」

騰蛇はもとの符へと戻った。

「悪い、怖い思いさせたよな?」

凛空はその場に座ると、私に手を差し出した。

「なに?」

「いや、手繋いだ方がいいと思って」

「また?」

「別にいいだろ?」

私は、凛空の手に自分の手をのせる。

「安心したか?」

「うん、安心した……」

さっき夢の中で出てきた凛空に似たあの人と違って、やっぱり凛空が居ると安心する。

「そういえばね、夢の中で凛空に似た男の人に会ったよ」

「へぇ、夢の中でも俺の姿が現れるのか」

「べ、別に変な意味なんてないからね!」

これ以上変なことを言うと、また凛空にからかわれそう。