「はっ!!」

私は、勢いよく起き上がり息を整える。

「今のは……、夢?!」

男の人が触れた額に、自分の指先でさする。

「あの男の人、誰だったのかな?」

それに、最後なんて言ったの?

「起きたのか?」

「と、騰蛇……?!」

「よく寝てたな」

「どれくらい寝てたの?」

「三日間だ」

「三日間も?!」

そんなに寝てたの?

私はてっきり、数時間しか経ってないと思ってた。

「なんで私寝てたの?」

「覚えてないのか?」

「えっ?」

「鬼女と戦っている時、急に倒れたんだよお前は」

「倒れた?」

なんで、倒れたんだろう?

「そうだ、凛空は?! 」

「ここに居るよ」

凛空は、部屋の扉近くに居て私の傍へと歩いて来る。

「具合はどうだ?」

「大丈夫だけど……」

凛空が無事だった。

そんなことを思ってしまったせいか、私の頬に涙が伝った。