「………うぅっ」 家で泣きそうな声を出すと 「さーらー。」 優しく私を包み込む声。 だれ? パッと目を開けると。 「せ、せ、せいちゃん!!」 幼なじみの、遠田 誠二。 高校3年生だ。 あれ、でもなんで? 小学校の頃に引っ越したはずーー。 「親の都合で帰ってきたんだよ。明日からお前と同じ学校!」 整った顔でそういうから 「やったあー!楽しみ!」 ちょっと、笑顔になる。