・・・






「行かなくちゃ…」


湊斗くんに言われた空き教室へと
重い足を必死に動かしながら私は向かう。















「あ…」


そこには思わず見惚れてしまうほど
絵になる湊斗くんがいた。



机を椅子がわりに座っていて。
制服のズボンのポケットに両手を入れている。

ほどよく着崩した制服。

少しだけ茶色で、長い髪。

日に照らされた綺麗な横顔。





全部、全部…
私だけが触れられる特権だったのに。



もう今日で…全部。

私のものじゃなくなるんだー…