「どうした?」

「いや、何でもないよ…!」




廊下で言われた言葉が…

今もまだ私の頭を支配する。






「何かあったんなら、言え」

「え…」




「俺さ。
女は大ッ嫌いだって言ったろ?

だから女がどんな時に泣きたくなるとか
悲しくなるとか…寂しくなるとか
言ってくんなきゃ分かんねぇ。

女は大ッ嫌いだけど…
お前のことは大好きだから。

泣きたいって思ってるなら言え。
寂しくなる時も言え。
ずっと隣にいてやる。

嬉しい時もずっとな。

だから『心配かける』とか気にすんな」








湊斗くんは真剣な眼差しで私の目を見る。

今まで大好きで
湊斗くんのことなんてなんでも知ってるって思ってた。

…でも、こんな真剣な顔…初めて見た。