自分だけ落ちてる、とかそんな最悪なことを想像してしまったり、周りの緊張感もひしひしと感じる中だとマイナス思考になってしまう。


もし、合格していたら一番に報告したい人はーー。



「あっ! あそこかな? 番号貼られるの……」


「ほんとだ、準備してるね……」



大きな掲示板に、まさに合否発表の紙が貼られているところだ。



ーーああ、どうか。 どうか、あたしの夢の一歩をここから踏み出せますように。


お願い。 お願い、受かってて……!



目をぎゅっとつむって、脳裏に浮かぶのは優しくほほえむ凛ちゃん。


「受かったよ」って、彼に一番に報告したい。



「あっ! あたしの番号あった……!」


「かえちゃんおめでとう……! あたしの番号も、あった……!」



楓は体育学部、心音は栄養学部。 それぞれ部活での経験もあって、志望していたから本当に良かった。


ふたりの喜ぶ声を聞きながら、あたしも掲示板を見上げた。



あたしの番号は……。