林の奥の方で鳴いている鳥さんの声が聞こえる。


それ以外は、風で葉っぱや枝のゆれる音だけ。


林の中の方が、おんなじお外でも涼しく感じる。


草の生えていないのが目印の木の間を抜けると、昨日と同じ大きな木が僕を迎えてくれた。


「カブトムシ、居ると良いな。」


振り返ったパパに大きく頷いて、首から下げた虫かごをしっかりと両手で握った。