夏休みの勲章

ふ〜ん…ブドウってこうやって作ってるんだぁ。


ブドウを作ってるビニールのお家は、うねうねと曲がりくねった細道のよこに、ずうっと続いていた。


ここはさっきとは違ってじゃり道じゃない代わりに、タイヤの跡だけがのこる土の道だった。


やっとビニールのお家がなくなると、細道の脇にぽつんと一つだけのお家が見えた。


「トラックは此処までだな。吾妻の爺さん家に置かして貰おう。どうせ、歩いても直ぐだ。」


「なぁ武志…吾妻の爺さんって未だ生きてんのか?」