タクシーの窓からは、頭に手ぬぐいを巻いたお婆ちゃんや、お手紙を配達してくれるおじちゃんが見えた。


その他には、あんまり人がいない。


人がいないから、まわりの音も少ない感じがする。


代わりに聞こえてくるのは、姿の見えないセミの大合唱。


セミの声を聞くと、自然とカブトムシの事を考え出した。


木につかまっているカブトムシに、そぉーっと手をのばす僕…。