樹side


震える、以前より細くなった優梨を抱きしめながら、話し出す。



「優梨が、拉致られた時、優梨を拉致ったのは、上田裕也なんだ。」

優梨の肩が動く。

俺はゆっくりと背中をさする。


そして、
俺は、唯一の秘密を、

優梨に言おうとしている。

嫌われるかもしれない。だけど
優梨にはわかってほしいんだ。