ヤンキー?なにそれ、美味しいの?


安達くん、やっぱり気にしてるのかもだし、今回は、無理に誘うのはやめよう。


心の中で「うん」と決めて、苺花はもう一度隣で寝転ぶ安達くんを見つめる。


その口元には、切れた痕。

よく見ると、頬も目元も、腫れてるところがいくつもあって、苺花はついつい自分の頬を触って顔をしかめた。


…だって、見てるだけで痛いよ…。


「見すぎなんだよ」


気付けば閉じていたはずの目は開かれていて、太陽を避けるように目を細めながら、安達くんはこちらを見ていた。


「…最近、怪我多いなあって、思ったの」


苺花が自分の頬を押さえたまま言うと、安達くんは、少し考えるような顔をしてから、コロンと寝返りをうって苺花と向き合った。


「お前には関係ねーよ。」


至近距離で、目を見て囁くと同時に、安達くんは苺花のおでこに優しくデコピンをした。


「いてっ」


大して痛くもない衝撃に反射的に言葉を発する。