ヤンキー?なにそれ、美味しいの?


苺花は不服ではあるけど、納得はして。


「あー、それじゃあここから3人で回ろうよ!」


だから元気にそう提案した。


苺花、安達くんと一緒に回りたい!!!


安達くんは、ため息をこぼし、そこで初めて口を開いた。


「無理。」


冷たい声色に、いおちゃんは少し驚く。

苺花もいつもとは違う安達くんに不信感を抱いた。


「なんで?だって安達くんを誘ったのは苺花だよ?

一緒に回りたい!ねえ安達くん~!!」


今にも抱き着くんじゃないかという苺花の地団駄攻撃。


安達くんはそんな苺花に、はぁ、と深いため息をついた。


「あーーー、もう、うるせーな。」


突進しようとする苺花の頭を押さえて、安達くんはため息。


「……こいつの、友達?」


いおちゃんに話しかける安達くんの声は少し震えているように聞こえた。


「いおちゃんだよ!!」


答える苺花を無視して安達くんは続ける。


「こいつ、借りていい?」


いおちゃんは驚いたように安達くんを見つめて、そのあと少しだけ笑った。


「いいよ、でもちゃんと最後は宿まで送り届けてね。」

「あぁ。」


少しよそよそしい様子のふたりを苺花は見つめる。


なーんか、安達くんといおちゃんが話してるって変な感じ。

2人は絶対仲良くなれると思うんだけどなぁ、だって2人とも、とっても優しいんだから。