「いおちゃん、知ってたの!?」
勢いよく訊ねるけど、いおちゃんは至って冷静。
「なにが?」
なにがって………
「苺花が、その…屋上に行ってること。」
後味が悪くて、ボソボソっとした声で呟くと、いおちゃんは可笑しそうに笑った。
「何を今さら。とっくの昔にね。」
さも当たり前のように言うから、苺花は、なにも言えなくなる。
「まぁ、危なそうだったら止めるつもりだったけどね。
苺花は楽しそうだし、安達透も、噂が一人立ちしてる感じしてたし。」
止める必要ないんでしょ?
と、勝ち誇ったような笑みを浮かべて言う彼女には、やはり叶いそうもなく、
苺花は「完敗です…」とでも言うように頭を垂れた。



