近くなるコンクリートに思わず目を閉じて身構えた。 ーーふわっ…… 想像していた痛みと全然違った感覚に包まれて、苺花は恐る恐る目を開ける。 視界に広がるのは………白。 なんで白? その理由は、それからすぐに分かった。 「…お前…。なんの用だよ。」 頭上から、だるそうな声が聞こえてきたから。 見上げると、太陽の光が差した、迷惑そうな安達くん。 目の前の白は、おひさまの匂いがするワイシャツ。 ドアを開け、倒れ込んできた苺花を受け止めてくれたのは安達くんだったんだね。