「安達く……っっ!!」
勢いよく迫ってくるドアに危うく挟まれそうになった苺花。
ダンッ!
っと大きな音が鳴って、扉を押さえたのは安達くんだった。
「……っ」
焦ったように、扉を押しのけて、苺花を抱き寄せる。
その行動はまるで、ピンチを救うスーパーヒーローで、苺花は、抱き寄せられたまま、息も出来ずにただ安達くんに見とれていた。
「何してんだよ…」
気まずそうに距離をとる安達くん。
正気に戻った苺花は、先程の勢いをなくしてしまい、
溜まっていた気疲れとたくさん泣いた後だということと、色んなことが重なって、その場に倒れるように座り込んだ。
「…。なんだよ、用ないなら帰れ」
一瞬心配そうな顔をした安達くんは、すぐに目を逸らし、低い声で突き放した。
「あ、あるよっ!!!」
何を言えばいいか分からないまま、感情ばかりが先走って泣き叫ぶような声が出た。



