「どうしたの、大丈夫!?」
焦ったように声をかけてくれる男の子に、
苺花はこくこくと頷いて無事を伝える。
それでも心配そうなので、涙を拭いて、少し顔を上げて微笑んだ。
「ありがとう、大丈夫だよ」
すぐに溢れ出しそうな涙をグッとこらえて笑顔を作る。
するとその男の子は、顔を真っ赤に染めた。
「…あの、桜井苺花さん、だよね…?」
「そう、だけど…」
階段に座り、その子を見上げれば、男の子はギュッと拳を固く握って呟いた。
「ずっと可愛いと思ってて、今、付き合ってる人はいますか!!?」
思いがけない言葉に、苺花は目を丸くする。
それでも男の子の必死さには真摯に応えなきゃいけない。
だけど…
誰に告白されたって、頭に浮かぶのは、安達くん。
突然無かったことにされたお付き合い。
「付き合って……」
「ないよ」と、どうしても言うことが出来なくて、苺花は俯く。
だって、苺花、全然納得できてないの。



