ヤンキー?なにそれ、美味しいの?


「やっほ!今日も良い天気だねえ」

「…ん」


寝転ぶ安達くんから聞こえる眠たそうな声。

その声に安心して、苺花は隣に座った。


苺花が話しかけないと、静かな屋上。


「…最近、良く来るな?」


少し暗い雰囲気を感じたのか、気付いたら体を起こしていた安達くんが、苺花の顔をのぞき込む。

優しい声のトーンに、少しだけ泣きそうになりながら、苺花は笑顔を作った。


「苺花も、屋上大好きになっちゃって」

「そう」


小さな返答と共に、ぐっと肩を引き寄せられて、頭を優しく撫でられます。

何かを察したかのような優しさに、こぼれ落ちた数滴の涙。

安達くんに気付かれないように、そっと拭って、苺花は笑った。