ヤンキー?なにそれ、美味しいの?


普通の学校の球技大会にしては賑わっているグラウンド。

屋台が向かい合って1本の道になる通りを左右を見ながら駆け抜けていく。


…どうせアイツのことだから、

「全部美味しそうで選べない〜っ」

とか何とか言って、両手いっぱいに食べ物を持っているに違いない。


頭ではそう思っているのに、どうしてか心臓は不吉な音を立てていた。


「…いねえ。」


大した距離も走っていないのに、少し上がる息。

一度深く息を吐いて、走ってきた方を振り返る。


もう一周行くか…。

そう思い、足を動かそうとした時、後ろから不穏な声が聞こえた。


「だから、お兄さん達と一緒に回ろうって」


少しイライラしたような声。

振り返るけど、周りにはそんな集団は見えず、じっと見渡すと、校舎裏へと繋がる道が目に止まった。


あの奥か…。


あいつとは関係ないかもしれない。

だけど、足は自然とそちらへ向かっていた。