「安達、苺花が居なくなったの。場所知らない?あの子、ドジだし抜けてるけど、時間破る子じゃないの、連絡もつかないし…」
「…は?」
少し青ざめたくらいの表情で、早口で語る様子、俺は、また別の理由で顔をしかめた。
「知らない?てか、屋上来なかった?ほら、安達なら何か知ってるかと思って。」
さっきの驚いた表情と呼ばれた名前は、そういうことだったのかと、自分で納得。
だけど、こんなにも普通に俺に話しかけてくる奴が、あいつの他にいることに、俺は驚いていた。
「…いや、屋上には来てない」
そう返すと、早柿は、分かりやすく肩を落として、「…そう、」と呟いた。
「どこ、行ったんだろう。やっぱり一人で行かせなきゃ良かった、もし何かあったら…」
きっと、俺に言っている訳じゃない。
だけど、
下であんなにもハキハキと、焦っている様子だったクラスメイトに指示を出し、しっかりした姿を見せていた奴が、
クラスメイトの視界から外れた場所だからか、今にも泣き出しそうな顔を見せていた。



