「ええーーっ!?」
「苺花ちゃん!?大丈夫!?」
心配そうに駆け寄ってくるチームの皆に、苺花は真っ赤な顔をして頷いて、ボールを渡す。
「大丈夫!ほら、チャンスだよっ!」
そう言うと、みんなはニコリと笑って、またゴールに向かって駆けだした。
「…やだぁ、凄いダサかったよね…」
恥ずかしくてちょっと泣きそうになりながら、ベンチに座るいおちゃんを見る。
いおちゃんは、ゴールの方を見ていたけど、すぐに苺花の視線に気づいたようで目が合った。
「大丈夫!ナイスキャッチ!」
いおちゃんの満面の笑みに、苺花も浮かびかけてた涙を吹き飛ばすように笑う。
すると、ベンチに座る友達や、ギャラリーの人達の頬がぽぽぽ、とピンクに染まった。
「あはは、いおちゃん、また視線集めちゃってるよ」
おかしくてそう言って笑い、試合に集中して走り回る。



