幸せの先



side あみ


青柳 賢一さん。


久しぶりに同年代の人と話したなあ。話してはいないか。


冷静に突っ込みながら、教室へ向かった。

いつも使っている教室は、屋上からの階段を降りてすぐのところにある。

この学校の生徒が屋上には近づかないのと関連性があるのかわからないけど、屋上に近いこの教室にも人が来ることはない。

だからこの教室はお気に入りだ。

一応5組の教室はあるが、他のクラスが賑やかすぎて全く集中できない事に気づいてからどこか静かな場所はないか先生に相談してこの教室を教えてもらった。

さっき、賢一さんにどこにいるのかと聞かれた時はビックリした。

5組のみんなは定期試験の時期にしか教室に集まることはない。

みんな挨拶程度の会話で、仲のいい人もいない。

だから誰かと待ち合わせたりしないし、私はほとんどの時間をこの空き教室で一人で過ごしている。

私が毎日登校してることなんて誰も知らないし、知り合いもいない。

5組の人とはほとんど会わない。

多分みんな学校には、ほとんど試験の時くらいしか登校してこない。

それが普通で、毎日登校している私のような人はほとんどいない。

他のクラスの人にもそう思われているはずだ。

なのに賢一さんは、私が毎日登校していることを前提に話しているようだった。