「だってここ……夢の国なのに…………。
ようやく体育大会の約束果たせるって、ずっと楽しみにしていたのに。
折角制服以外じゃあまりはかないスカートはいてみたのに……」


先程までの明るさがみじんに感じられないほど、佐和は1人暗くなる。

しまいには、来たばかりだというのに帰ろうとする素振りさえ見せ始めた。

それに真っ先に反応して見せたのは彼女の左にいた郁人。

元来た道を戻ろうとする佐和の腕を掴み、必死に引き止めた。

柚太がいる事には約束とは言え納得は行っていないが、

こうして佐和と遊園地に来れた事は郁人にとって幸せな事であったからだ。