「……緊張、しているの?」

「えっ……!? な、何でそんな事を…………?」


バスに揺られ、窓際に座っていた咲の顔をじっと見つめながら蛍人が聞く。

突然の質問に咲は驚き、照れながらどう答えようかとあたふたする。

だが蛍人は別に大して気にしてはいなかったようで、

“答えられないなら良いよ”と冷静に答えた。咲は少しだけ拍子抜けをする。

いつもの蛍人であることには変わりない。

なのに何故かもう少し探求をして来るものだと咲は思っていたのだ。

そんな咲の心は先週の火曜日と変わらず、グシャグシャしたままだった。

まだキチンと顔を見て話せるのかと言えば、

答えはどちらか選ばなければならないのならば“ノー”である。